
最近の若者の歩き方を見ていると、
ブカブカのクロックスサンダルをひきずって歩いています。
つまり、“すり足歩行”をしています。
今まで、すり足歩行については老人の悩みだと思われてきました。
ところが、こんな経験はありませんか?
歩道のタイルの数ミリの高さにつまずき、フラットな場所でもつまずいて・・あれ?なんで???
いつのまにか、足が地面を擦って歩いていたんです。
これがすり足歩行による転倒の恐怖(予感)です。
人はなぜ、すり足歩行になるんでしょうか。その原因は?
すり足歩行の原因は?
すり足歩行の人を、タイプ別に調べてみました。
・若い人の場合
出勤時に猫背や腰を曲げた歩き方をしている人がいます。
よく見ると、足跡が地面を擦っています。
そして、このすり足歩行のことを“自分にとって楽な歩き方”と勘違いしている人もいるようです。
・子どもの場合
最近の子どもたちは外で走る機会が少なく、速く走る方法を知るチャンスも少ないので、ただ足を動かせば前に進めると思っています。
そのため、走りの基本である腕振りの習慣が無く、靴を引きずるような“すり足歩行”の子が少なくありません。
そして、親が子どもの成長過程を見て、今の足サイズより大きめの靴を履かせているため、靴を引きずって歩き、すり足になっている場合もあります。
ふつう、裸足の時は足指に力が入っています。
しかし、同じ体勢でも靴を履いていると、靴底があるので、足指に力が入りません。
靴を履くということはそれだけ、足指に力を入れる感触を感じる事が出来ないんです。
前に足を出すだけの「すり足歩行」を、通常の、後ろに蹴って前に進む歩き方に改善しなければ、足の筋肉はどんどん退化してしまうでしょう。
・高齢者の場合
高齢の方は“すり足歩行”が多くなってきます。
高齢による足の筋力低下によって、歩く時につま先が上がりにくくなっています。
つま先が上がらないので、前につんのめりやすくなったり、わずかな段差につまずいたりしています。
このように、すり足歩行は、若者、子ども、高齢者の区別なく、一つの悩ましい歩き方となってきました。
最近のすり足は、老化だけとは考えられなくなってきたのです。
すり足歩行による筋力の衰え
通常、人間は歩いている時に、腕振りや足指で地面を蹴るという動作をしています。
ところが、足を地面にすりつけるような、“すり足歩行”をしていると、腕振りもないため、つまずきやすいのです。
すり足歩行は脚が上がりにくく、自分では脚を十分あげているつもりでも、つま先まで上がりきっていないことに気づかない人もいます。
では、すり足の人とそうでない人の違いは何でしょうか。
すり足の人と、そうでない人との違い
すり足の人と、そうでない人との決定的な違いは
「つま先で蹴るか、つま先で蹴らないか」なんです。
後者は必然的にすり足になっています。
【すり足のメカニズム】
歩く際に後ろに蹴らず(つま先で蹴らず)に横に足をスライドさせる。
↓
よって、ヒザを曲げないでも歩ける。
↓
だから、すり足になる。
【すり足歩行であるかどうかをチェックしよう】
すり足歩行かどうか簡単なチェック方法があります。
★砂浜(砂場でもOK)を歩いてみる
足跡の深さで、すり足か否かがわかるんです。
【すり足の人の足跡】
親指側(足の内側)が深く沈み、小指側(足の外側)が浅い、もしくは跡がほとんど無い。
【正常な歩き方の足跡】
足の指全体がそれ以外よりも深く沈む
さて、どうですか・・・?
すり足歩行を改善するには
すり足歩行の改善は、つま先で蹴ること。と同時に、それは足指で蹴る意味になります。
すり足を解消するレッスンをしましょう。
【すり足解消のレッスン】
すり足の人は、普通に歩行できる人に比べて
下記の3つの感覚が足りていません。
- 背筋を伸ばすという感覚
- 膝を曲げるという感覚
- 足指を使うという感覚
すり足を解消していくには、
背筋を伸ばすということはこういうことなんだ!
膝を使うということはこういうことなんだ!
足指を使うということはこういうことなんだ!
という「感覚」を身につけなければなりません。
なぜこう言うかというと、
いくら意識させようとしても、「感覚」が身についていない段階では意識しようが無いからです。
「感覚」をつかみ、それを自分の中に取り込むことが出来て初めて普通の歩行ができるのです。
3つの感覚から意識する正しい歩き方
★3つの感覚とは
普段から正しい歩行を意識することはとても大事です。
正しい歩き方を続けることで、すり足歩行でつまずきやすくなった足の改善が期待できます。
- 背筋を伸ばすということ
- 膝を曲げて伸ばすということ
- 足指を使うこと
【背筋を伸ばす感覚を身につけるレッスン】
上から引っ張られているイメージで、背筋をしっかり伸ばします。
壁に体をぴたっとつけたとき、腰と壁の間に手のひら一枚分が入る程度が正しい姿勢です。
【膝を曲げる感覚を身につけるレッスン】
階段を使います。
階段の前に立ち、1段だけをつま先で乗ったり降りたり。
膝を曲げるイメージとしては、足を上にあげる感じです。
【膝(歩行中、後ろになった方の足)を伸ばすレッスン】
例えば右足を前に踏み出したら左足を伸ばします。
【足の指を使う感覚を身につけるレッスン】
足の指でペンや何か細い物をつかみます。
【そして普通に歩く】
足を前に踏み出すとき、かかとから親指の付け根に向かって着地するように心がけましょう。
大またで歩くと自然にそうなるので簡単です。
かかと→中指→親指へ重心が移動するような感覚。
そして指先で蹴ります。
ほら、グッとスピードがアップしましたよ!
- すり足歩行の原因は?
- すり足歩行による筋力の衰え
- すり足の人と、そうでない人との違い
- すり足歩行を改善するには
- 3つの感覚から意識する正しい歩き方
・若者は「すり足歩行」を自分にとって楽な歩き方だと勘違いしている。
・子どもは大きめのゆるい靴を履いていることが多く、歩くと靴を引きずるため、すり足にならざるを得ない。
・高齢による足の筋力低下によって、歩く時につま先が上がりにくくなっている。
「つま先で蹴るか、つま先で蹴らないか」の違い。
後ろに蹴らず(つま先で蹴らず)に足を横にスライドさせる。
すり足で歩くと、後ろに蹴りません。足を前に出して進み、つまづくのです。
・すり足歩行であるかどうかをチェックしよう
つま先で蹴ることは同時に、それは足指で蹴る意味になります。
・すり足解消のレッスン
背筋・膝・足指の、3つの感覚を身につけ、正しい歩き方を続けることで、すり足歩行でつまずきやすくなった足の改善が期待できます。
<あとがき>
私は走ることが苦手でした。
運動会ではいつもビリ。
一生懸命、力いっぱい足を動かしても、学友を追い抜くことはできません。
何にも疑問に感じずに、「ああ、運動神経が鈍いんだな」と決め込んでいました。
でも、走りの基礎を知らなかったからスピードが出なかっただけなんですね。
足指で蹴る走り方を早くから知っていたら・・ちょっと残念でした。
自分の走りが遅い理由を知ったのは社会人になってからで、時もうすでに遅しでした。
子どもの走りの基礎はかけっこなどの遊びから学び始めるということを、ぜひ承知していただきたいと思います。
ご自宅の周りの環境にもよりますが、子どもたちを家の中だけで遊ばせるのではなく、走りが楽しければ、子どもたちはもっと楽しく勉学にもはげむのではないかと私は思っています。
すり足歩行で思い出す「お化け屋敷」
私は怖がりのはずなのに、怖いもの見たさに、率先して「お化け屋敷」に行こうと友達を誘いました。
ところが、自分の歩き方ですっかりバレているんですね、怖がりということが・・。
なぜかというと。すり足で障害物がないことを確認しなければ、前へ進めなくなっているからです。
薄暗いこともあるのですが、お化けに触られないかとビクビクしているんですよね。
そのすり足と同じような歩き方で明るい所へ出てみると、スピードは出ていなかったし、何しろへっぴり腰で格好悪いですよね。病的に見えるし、スタイルにも影響しそうです。
すり足歩行の改善には、このお化け屋敷の「へっぴり腰」状態を思い出すといいかもしれませんね。((´゚∀゚`))